フェス考 ― スクリーム追記編


 はじめっくさんの(http://www.iq01.jp/index.html#082403)読んで思いだしたのは、そういやロック・イン・ジャパン00で俺も同じふうに考えたなー。ってことで、具体的にはキング・ブラザーズなんですけど、確か出順が(朝イチから)

 ナンバーガール → キング・ブラザーズ → 奥田民生


 ・・・だったと思うんですよね(ちょいうろ覚え)で、キング・ブラザーズんときがちょうど、リンク先で述べられているザゼン・ボーイズ in モンスター・バッシュな感じで。ごく少数の孤軍を除いて、あとは奥田民生待ちの人ばっかで、誰もちゃんと聴こうとかしてなくて。

 ぼくも正直キング・ブラザーズってそこまで好きじゃなくて、まぁ当時は今よりもうちょい腰も軽かったんで「爆音で元気いーね」程度しか入れ込んでもなかったんだけど。でも「せっかくのフェスだし見とこうかな」くらいの軽い気持ちで真ん中らへんまで行って、そしたら周り「色々世界に御不満がおありのような方」だらけで(笑)


 何を改めて書く必要もないというか、ぼくの言いたいこと全部はじめっくさんが綺麗に言い尽くしてくれてるんですけど、ぼくん中でロック・インって最終的には良い思い出になってるけど「こんなんじゃ次以降もう来るの嫌だなぁ」って思った、まさに最大風速の瞬間がこのときだったのを思いだす。

 単純かつ乱暴な言い方をすれば、自分がフェスを楽しむには他人に邪魔されない必要があるわけで、他人に邪魔されたくなければ自分も他人を邪魔しないのがマナー(というか、それ以前の問題な気がする)のわけで、他人を邪魔しないっていうのはつまりキング・ブラザーズを見たがってる、聴きたがってる他人が近くにいるかもしれない場所でライヴ中に大声で喋らないとか、自分が好きじゃなくて退屈だからって「帰れ」だの「終れ」だの野次らないとか。そういうすごい簡単なことで、つまんなくて退屈ならその時間を食事に充てるなり、友達と喋らずにいれないんなら人数の疎らならへんまで下がるなり。方法は幾らでも代えが利く。


 野球とかサッカーで、不甲斐ない試合をしたチームに怒号をぶつける血気盛んな人たちがいるけど、ああいうのは愛が感じれるのでずっと良い。チームを愛するあまり、その腑抜けさを野次らずにいれないんなら、たとえ聞くに耐えない汚い言葉であれ(あまりにも度を超えすぎない限り)そこには真摯な思いが込められていると思う。

 ちっとも盛り上がらず微動だにしない聴衆を前に、それでも場を沸かそうと見苦しいほどに姿を掻き乱し、朝から降りだしていた小雨のせいで音や機材が万全でない悪状況にもめげず、マイクを口に含み全力で奇声を吠え上げるマーヤさんの姿はすげぇ必死ですげぇカッコよくてちくしょうむちゃくちゃロックだなぁって心底ぼくは思った。その同じ姿を目にしながら、退屈そうに見てるだけならまだしも「うわマイク食ってるよあいつ」「キモーい」「笑えるんだけどー」とか冷めきった目と声でゲラゲラ笑ってる周りの連中はみんな死んでくれとも思った。


 こないだのフェス考で、うまく言葉にできず曖昧に「何か」としか書けなかった「初年度のロック・インに決定的に欠けていたもの」っていうのは要するにこれで、思いだしてみれば「うわ。そりゃ確かに決定的・・・つーか致命的だな」と。今更ながら。

 つっても(こないだも書いたけど)初年度の失点を未だに論って「やっぱロック・インはダメ」とか言うつもりじゃ全然なくて、というかフジ・ロックにも過去オアシスんとき似たようなこともあったらしいし(ぼくは現場にいなくて詳しく知りませんが)・・・だから言いたいのはフェスって出会いの場だし、参加するからにはただ「楽しませてもらう」んじゃなく、もっと自分から「楽しもうと」しようよってことです。いやはじめっくさんも言ってるけどね! いやだから最初に「言いたいこと全部言い尽くされてる」ってちゃんと断ったじゃないですか!(逆ギレ)