投票にあたっての覚え書き (読み飛ばし可どころか推奨)


 初めてジャンプを買ったのが小学校2年のときでつまり8歳ってことは16年前なので1988年だ。

 ん? 87年か? まぁ1年くらいの誤差はどうでもいい。


 これを読んでる人の、ほぼ100%に近い(もしくは同値の)割合で皆さん竹田さんの獄門島序文(http://www.ultrasync.net/naph/gokumon.htm#00)に目ぇ通してると思うんで繰り返す必要もないだろうけど、この催しは「90年代」という途方もなくデカい括りの中で、その間に貴方の出会った漫画から上位最大5つを選定してください。という呼びかけである。

 1979年生まれのぼくにとって、それは(ニア)イコール「ぼくの10代をイロトリドリのガラスみたいな涙の美しさで彩った漫画作品の、膨大量の敷地面積の砂場からたった5粒の砂金を選り分けろ」という過酷きわまりない指令であり、ぶっちゃけそんなの無理。の一言で一蹴したい衝動に駆られるのも止むないことと思う。

 それでも企画全体を通念する実直な姿勢と「あんたアホですか」と問い質したくなるほどに溢れ返る漫画への愛と、あとまぁどうせ俺が選びきれなくて見送ったところで企画は遂行されるわけでだったら投票せずにいれるものか俺の意見も反映せずに最高の漫画とか勝手に決めんじゃねぇー。という醜い自己顕示欲の塊みたいな強欲さで、とにかく死ぬ気んなって選び抜いたぞコラァそこの竹田! さん(小声)。といった次第であります。


 決して悪意はありませんがたとえ表面的にであれ、なぜガラにもなくオン・ライン方言で吠えてみたか。といえばキャラバンを進めたいわけも別になく、すでに開示されている竹田さんの投票結果と、ぼくが必死んなって考え抜いた結果ようやく「これでいこう」と選定し終え、あとは文章化を残すのみ。という状態だった草案との、奇跡的。と言いたいとこだけどこの場合「絶望的」と言わざるをえないレヴェルの、驚異のシンクロ率に拠ります。

 肝が冷える。どころでなく摂氏マイナス273.15℃で瞬間凍結するのを実感したぼくは即座に再考をヨギナクサレ(特撮)、チューニングの狂った感性で「少年誌に於ける性表現の革命性」を謳い文句に「オヤマ! 菊之介」に5ポイントを丸々ブチ込む。という暴挙に一時は走ろうとさえしたのですが、直談判の結果「それはひどすぎる」と跳ね返されたのを差し置いても、冷静に考えればその名目は山口譲司が80年代にすでに成し遂げている事実に思い当たり、というかそれ以前にチャンピオンを他の3強と等列に「少年誌」とカテゴライズして良いのか? という疑問もあり、また少年誌に於ける性表現。特に女性器のタブー性を解放した点でいえば、その実効性を加味してやはり「バスタード」とか「電影少女」が上に来るよな。など・イヴェントの本旨とかなりかけ離れた地点での逡巡を経て結局やめます。


 でまぁ、やっぱそこは素直になろう。と。考えてみれば地理こそ違えど同じ時代の空気や空気感を、同じ年齢で享受しながら過ごした同世代の人間がこの難題に取り組んだ結果、こういうシンクロ現象が発生するのは半ば必然の帰結であり、後発ゆえに。とその決定を覆すのは本末転倒なのであります。そしてそれは企画の意図への背信行為でもありますし。

 などとゴタク並べてみましたけど要はね、ぼくにとっての「90年代、この漫画」をどんだけ考え直したって。というか考えれば考えるほど、やっぱり最終的に着地すんのはほんとここしかないんですよ。他に書けないもん。


 そういうことです。前置き長くてすいませんが、つーわけで以下本題。