曽我部恵一 / オーロラ

from ost. 『青い車』 04


 ダラダラしてる毎日がどんなふうに過ぎてくかというと、昼すぎに起きて、本を読んだり漫画を読んだり音楽を聴いたり、たまに映画を観たりドラクエ8やったりしながら夕方に差し掛かる。アルバイトのある日は出かけて、ない日は残って今までの続き。ある日は深夜1時に戻って、その続き。で、街に明かりの灯る頃ん眠って、最初に戻る・・・うわーこう書き起こしてみたら、ほんとあまりのダラけっぷりに我ながら驚いちゃうね改めて。ちなみに部屋のデジタル時計が律儀に2月29日をカウントしてくれちゃってたせいで体内手帳が1日ズレてんのに今日気づいた。今日8日だと思ってたら9日だって! うそー。3日の NATSUMEN ちゃんと行けて良かったよ。現代の奇跡。


 ダラダラの隣に鳴る音楽は、昼なら Tower Of Power 「Only So Much Oil In The Ground」かなんかファンクのを。夕方は曽我部恵一「オーロラ」を聴く。夜んなってちょっとテンション上がってくると Brian Eno 「King's Lead Hat」とか。聴きながら声張って歌っちゃったりとかもする。Will come, will come, will surely come。深夜と寝る前は NATSUMEN 「Cicada Sing The Galaxy」の帳、その合間合間に Frank Black 「Teenage Of The Year」を聴いてる。最近は毎日こんな感じ。


 今は夕方なので夕方の曲の話をしよう。「オーロラ」は夕方の似合う曲だ。他はあんまり関係なさそう。春でも夏でも秋でも冬でも、晴れた日も曇った日も雨の日も、なんとなく夕方に聴きたい気分。空が真っ黒でないほうが良い。眩しすぎても少し違う。曇った日の昼下がりや、晴れた夕方。アウトロのゆっくりと長いアコースティック・ギターが、太陽の少しずつ、ゆっくり地平線に溶けていくイメージ。オプションでコーヒーやビールと、海の風景。

 ダラダラの毎日は、ダラダラゆえにダラけきってて、ってなんだこの日本語は、まぁいいけどさ、なんつーか「いいの?」って気に時々なる。このダラダラはどうなんですか、と。けど案外、満更でも不思議となかったりしちゃって、なぜってそれは不思議なんだけど。というかほんとはわかってて結局、音楽だったりするわけで、ぼんやりと、ゆったり過ぎていく何もない夕方に、何もなくても1つだけ。ただスピーカーから「オーロラ」が流れてるだけで、不思議と悪くない気分。部屋を1歩も出なくても、音の向こうに見える風景。悪くない。と思えてしまうことじたいが、もしか「悪い」の、かも、しれないけど少し忘れることにします。


 ダラダラの夕方を砂とするなら、そこへ落ちる「オーロラ」は一滴の水。何もない夕方を下絵とするなら、それに色を塗る「オーロラ」の絵の具。退屈な夕方をパスタとするなら、茹でるお湯に「オーロラ」の塩を振る。例えに懲りすぎてだんだん妙な具合になってきた、てゆーか最後のとか露骨に失敗してるわけですけど、や、でもお湯で普通に茹でちゃうとやっぱり物足りないからね。塩重要。わかる? つまり、そういうこと。わかんなければ曽我部さんの声に訊くと良いよ。