違う世界

　やばいよ大変だオレンジ・レンジが耳に焼きついて離れないよ。昨日、仕事帰りに飯食ってた店の有線で「お願い!! セニョリータ」初めてフル・コーラス聴いたんだけど何これ正気じゃない。正気じゃない人のつくった音楽は大抵の場合、90％の斥力と10％の引力で構成されてるように思う。たまたま10％サイドにコネクトしちゃってやばいくらい抜けれないときってあるよね。誰に求めてるか知らんが、きっと誰も同意してくれないのをぼくは知っている。

　それにしても、お気楽な音楽が蔓延しててまるで公害のようだね。この巨大な渦の中心にいるのはいったい誰なんだろう（きっと小室哲哉だよ）今は風が止むのを待ったほうが良い。その間にぼくらはナイフを研いでおくべきだ。研ぎながらお前らデフ・テックを聴け。

　

　ああ、だけど本当にぼくが伝えたいのは、美しいものはどこか目立たない場所で着実に日々、美しさを研ぎ澄ましているということだ。例えば L'altra の「Different Days」が素晴らしいのはそういうことだ。ぼく（ら）はこういう美しいものを聴きながら、冷房の効いた涼しい部屋で煙草を吸いながら小説を読んだりコーヒーが飲める幸せを史上の喜びとしなければならない。インターネットしてる場合じゃねぇんだよ。言うまでもなくインターネット云々以前に、仕事帰りに飯食ってた店の有線で「お願い!! セニョリータ」初めてフル・コーラス聴いてはしゃいでる場合じゃないことを他の誰よりぼくはいちばん知っている。