西田東、ていうボーイズ・ラブの作家さんがいるんですけどこれどう?

 いきなり「どう?」とか言われても大抵の方は「困る」以外の受け身を取れるわけないと思いますけど、ぼくん中で大ヒットなんですよね西田東。いや作品じゃなくネーミングがさ。だって西田東て! その響きに宿る絶妙な脱力感。おバカ感。かといって下品すぎもせず、適度に地味で適度にちゃんと整ってる・・・うわー秀逸だなあ。と思うわけです。あまりにツボで思いだすたびクスッてなっちゃうんだよな・・・西田東・・・いやだから西田東て!


 ところでジャンルがジャンルだけに西田東さんの作品は読んだことないんですけど、キーワードの助けを借りますと「従来のボーイズラブ作品にはあまり登場しなかった、30代前後のサラリーマンが登場人物であることが多い」そうで、ここから導かれる妥当な結論として「30代前後のリーマンを Boys と括るのに抵抗を示さないらへん腐女子の皆さんて寛容だなあ」と、ぼくは思う。だってお前それ逆なら即ギレ鉄板じゃないすか。心狭いね俺。つーか俺でさえキレますからね、これ例えばオーシマさん(id:nekoprotocol)とかならフル・スロットルでブチギレ1000本ノックですよ。血管10万本単位で切れます。うわオーシマさん心狭ぇなー!


 というわけで、はい、どうもこんにちわ。ようやく2週間ぶりで日記書いたかと思えば他人様の悪口とかって救えねーな・・・という TSUKKOMI IN MY HEAD でお送りしております「月面」ですけれど、この2週間の間に季節が変りましたね夏から冬に。うん完全に秋スッ飛ばしてた。季節の変り目ごとに精度100%で風邪を引く男、として名高い BYO-JYAKU NO.1 SOUL HEADS な俺ですから今回も当然やられました。それはもう見事なほど颯爽とスライディング to 病床。そして臥しながら「けど今年は秋スッ飛ばしてくれたおかげで、季節の変り目が1回少なくなるわけだからある意味ラッキーですよ」とかジョン太夫ばりのポジティヴ思考(後ろ向き)してたんだよ。どうも腰が痛ぇなー、と思ったら神経痛じゃなくマイケルのモノマネ頑張りすぎてました。


 そんな俺 IN MY BED な病人生活を支えてくれた愛すべき連中を今日は紹介しようと思います。いずれも黙ってたって勝手に名盤なんですけど、病気エフェクト ON で倍率ドンで完璧です(わかりにくいので訳 : 病気んときってやたら人恋しくなるからさ、優しい歌声とか音色ってほんと沁みるよね。の意)。マジで心底「あはーんお前らみんな大好きだー! お前ら全員まとめて結婚してくれ!」って思いながら聴いてました。あはーんの部分がキモい、という致命的欠陥を打っちゃったまま話は進行しますのでお前らついてきてください。


Crooked Rain, Crooked Rain [輸入番CD] (OLE0792) PavementCrooked Rain, Crooked Rain [輸入番CD] (OLE0792)

 初っ端から本命。えーと pavement は直訳で「舗装道路」の意味ですが、意訳すると「風邪の友」とか「特効薬」という意味にもなります。と思ったら案の定(というかなんというか)1年前も「ぼくは昔から体調を崩すたび毎回 Pavement を聴きます」つってますね俺(id:amn:20040618)・・・お前どんだけ体調崩してんの? て話ですけど。

 や、けどほんとそうなんだ昔から。ずっと(だから、どおりで年中 Pavement 聴いてる気がすんだよな・笑)。そのときは「Slanted&Enchanted」だったようですが、今回は「Crooked Rain」で。さっき「病気んときってやたら人恋しくなる」って言いましたけど、つまり彼らの、溢れんばかりの人間くささを俺の弱った心身が強烈に求めちゃうんだろうな。なんでこんな沁みんの? っていうくらい沁みる。風邪薬より断然効くよ。


The Best of Bob Dylan The Best of Bob Dylan

 鉄板2号。この人の声はやっぱすごい。優しくて、強くて深い。正直、普段ぼくはボブ・ディランてあんまり聴かないし、カタログが多すぎて把握すらまともにできてないので、熱心なファンには「編集盤よりオリジナルを聴け!」と怒られてしまうかもしれないけど、この18曲をこの並びで聴いてるだけで十分に来る。とにかく声の存在感が別格。美しくも透き通ってもないけど、圧倒的に強い。この2週間で、飲んだ錠剤の数より「Mr. Tambourine Man」を聴いた回数のほうが確実に多い。


Small Circle of Friends Small Circle of Friends

 鉄板3号。こないだミュージカル・バトンやったとき(id:amn:20050614)、ぼく Roger の「Don't Take Your Time」を「特別な思い入れのある5曲」の1つに挙げてるんですけど(「Just Beyond Your Smile」のシングル・テイクも同じくらい大好きでちょっと迷ったけど、やっぱり僅差で及ばない)ほんとこれは特別だなー。わりと自分は昔からロック、ロック言っててロック好きを自認していたんだけど、それじたいは今もまぁそうですけど、でも実はロックと同じくらい・・・か、もしか下手するとそれ以上に純然たるポップスが好きな自分。を最初に気づかせてくれたのが彼らで。聴くたびに恍惚となりますね。あはーんてなる。なるな。


Royal Tenenbaums Royal Tenenbaums

 最後サントラ。収録曲の詳細はリンク先を参照していただくとして、簡単に言っちゃうと Nico で始まって Nico で終るんですけど(簡単に言いすぎ)、まずそれが「These Days」であり「The Fairest Of The Seasons」である時点でバッチリなわけじゃないですか。で、じゃあ中身を見ていくと、ランダル・ポスターという人の選曲による 60's メインのサウンドトラックと、マーク・マザーズボー(ex. DEVO)によるスコア。の2軸がだいたい交互に編まれていく構成なんですけど、この両軸がいずれも負けず劣らずナイスなデッド・ヒートしてるわけです(クレジットが Mark Mothersbaugh のと、あと The Mutato Muzika Orchestra っていう名義がスコア部分)

 「ロイヤル・テネンバウムス」は映画じたいもすごく好きなんですけど、このサントラはそれと切り離しても単体で非常に良くできている、というかぶっちゃけ好きとは言いながら細かい場面場面とかあんましはっきり覚えてないので曲を聴いても対応する映像が浮かんでこない。という大人の事情を踏まえつつ、Clash 「Police&Theives」からスコアを挟んで Ramones 「Judy Is A Punk」へ連なり、さらにまたスコア挟んで Elliott Smith 「Needle In The Hay」へ至る流れに「おおっ」と息巻いてみたり(そのまたさらに立て続けに Nick Drake 「Fly」だなんて!) Vince Guaraldi Trio 「Christmas Time Is Here」〜 Velvet Underground 「Stephanie Says」のメドレーに感涙してふるふる打ち震えてみたり、そしてラスト Nico の後、エンド・ロール The Mutato Muzika Orchestra 「Hey Jude」の壮大さに再度ふるふる打ち震え・・・ているうちに「収録曲の詳細はリンク先を参照」とか言っときながら半分以上書き並べてるじゃねーかこの野郎! という突っ込みが入って俺が焦りだしてみたり、と波乱万丈で盛りだくさんすぎる内容となっておりますよ。


 というわけで、この4枚をぐるぐるローテーションさせてるうちに風邪もだいぶ収まってきておばあちゃん今日も私は元気です。おばあちゃんも身体に気をつけて元気に長生きしてください。あと、かなり今更だけど pavement に「風邪の友」とか「特効薬」っていう意味は皆無なので受験生の裕太くんが間違って覚えてしまわないよう優しく注意してやってください。あと裕太くんのエロ本の隠し場所は本棚の辞書のケースの中です。