ハンテッド


 久々にしっかりした映画を観た気がする。しっかりした、ってのはなんてゆうか「強い」って意味だ。ちゃんと映画してるなぁ。みたいな感じ。

 こないだ書いた「イコ」とか「キューブ」の話と被るけど、やはりこういう芯のブレてない表現にはある種の正しさが宿っていると思う。この作品のラスト・シーンの突き放し方とかすごい好きだ。手紙は彼の声で読み上げられもせず、主人公のオッサンが涙を流したりもせず、淡々と暖炉へ投げられ炎に包まれる。これだけで良いのだ。感動を視野に入れた、狙い済ました予定調和なんて要らない。


 算盤の上で最も必要性の高いと計算されたものこそが、実は何より蛇足以外の何者でもない。ということ。