ドクデス7

amn2004-03-20



 会場入りした瞬間、思ったのは「なんでこんなに人いるんですか?」

 いやもうテキスト・サイトとかはてなダイアリーの求心力っつーんですか。熱に当てられて膨張するかと思いましたよ(何かが)。当初は開場前にパセラへ侵入し、ドクター神谷をして「切ったというより隙間を通したって感じだ」と言わしめるほどの剣捌きで主催3氏を背後から瞬殺した後、ドクデスのフライヤーに浪漫興行のをこっそり折り込んで来場者に配布。という、このうえなく見事かつ理想的な宣伝プランを企てていたものの普通に遅刻し、あっさり頓挫。

 直ちに今度は、たっちゃん率いる柔道部員のザコ数名を一蹴した雨の日の桜木花道へ転身し「今更急いでも仕方ねーや」と日高屋でのんびりラーメンを食い、ようやく1時半頃に入場しました。ほんと人がいっぱいいてざわざわしてた。エレベーターのドアが開いた瞬間、思わず脳裏に珍遊記の酒場がフラッシュ・バックした(けどすぐ消えた)。


 とりあえず「2時過ぎ頃には暇になるんでゆっくり話でもしましょう」と言ってた竹田(id:season)さんが、けど2時過ぎても全然暇になんなくて最後まで働きづめで挨拶+α程度しかできなかったので、彼は次会ったとき妖刀ざっくり丸で斬ります。斬るっつーか刺す。ざっくりと。

 あと初めて画像を見た瞬間から「うわぁこの人(ぼくのアルバイト先の先輩の)谷口さんだ!」と思っていた麻草(id:screammachine)さんが、いざ会ってみると予想に違わぬ谷口さんぶりだったので、彼は70年代歌謡に乗せて看護婦ルックでセクシー・ダンス。もしくは無実の罪で刑務所にブチ込んでから熊のぬいぐるみを差し入れとかして誘惑しよう((c)石橋義正)と決意する。


 イヴェント内で最も血が沸き、肉が踊り、脊髄が反射したのはcimさんゴダイゴ「モンキー・マジック」を回したとき、背後のスクリーンで「時計じかけのオレンジ」が流れてたんだけど、そのときアレックス一行は対立する不良グループとの乱闘を終え車で失踪中。んで、そのアレックスの口の動きとモンキー・マジックの歌がジャストにシンクロし、あたかもマルコム・マクドウェルが「Born from an egg on a mountain top. The punkiest monkey that ever popped〜♪」と愉快げに歌っているかのような映像が現出した瞬間。もうなんかウォー! ってなったです。まぁこんな偶然の産物を誉められてもスタッフ陣の誰一人喜ばないと思うんですけど、でもぼくは燃えた。「ウォー!」っつーか「ウヒョ〜♪」みたくバカっぽさ全開で喜んでた気がしなくもないけど「酒が回ってました」という免罪符を利用し、それはなかったことにする。


 遅刻してったんで最初の3人の方のDJは聴けなかったけど(すいません)、ヨッピーさん以降の6人を見る限り「アンタたち全員濃すぎだよ!」ってくらい皆さん、それぞれ個性が選曲(やパフォーマンス)に出まくっていて面白かった。おそらく大半の客層(ぼくも含む)にとって「サイトのイメージでしか知らない人」ばかりであって、その意味でどの方も期待を裏切らない正攻法で堂々やってのけてくれたと思う。

 良い意味で期待を裏切ってくれたのはラストの岩倉さんで、導入に何やら訳のわからんラジオ音源を流されて正直やべぇと思った(笑)けど、そこからガチガチなテクノ・ラッシュでバキバキに盛り返してくれて「やべぇ」の意味が反転しましたお見事です。「In Yer Memory」は個人的に凄く思い入れの深い曲なんで、イントロが鳴った瞬間飛びつき今度こそ「ウォー!」ってなった。アレックス版「モンキー・マジック」の、次点が(笑)たぶんこのとき。


 全体を通して良かったのはまず会場。単純に雰囲気の良かったのと、あと人がいっぱいいたけど広かったし、椅子も思ったより多く設置されてて疲れなかった。設備として申し分ない(そのぶんブース周りに若干不備が見られましたけど。針が飛んだり。あれはちょっと勿体なかった)。

 それとDJ陣の順番がうまく並んでてバランス良いな。と思った。きちっと技で魅せる人もいれば、そういうのを超えた何かで(笑)場の空気を鷲掴みにしちゃう人もいる。それが(主に交互にくるんだけど)丁寧に並んでいて、そういう意味でも疲れをあまり感じなかった。まぁ要するにトータルとして主催&スタッフ陣の熱意やら誠意が伝わってきて良いイヴェントでしたよ。ということ。

 それとうまく呼応する感じで客層も良かったと思いますし。164さんとかpatoさんみたく「カリスマ性一本勝負!」みたいな人んところで盛り上がるのはまぁ予想の範疇というか。イヴェントの性質上「そりゃそうだよな」って感じなんだけど、禎森さんなり岩倉さんなり。いわゆる「クラブ・イヴェントとして正統な」的な人んときでも、その波がフロアから引かず盛り上がりつづけてたのは嬉しかった(別にぼくは嬉しがる立場じゃないし、単なる客の一人の分際で偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが)。


 ただまぁ客層についてもう1つ言えば、ネットの繋がりって一見弱そうに思えるけどそれは「出会いづらい」ってだけで、逆に一回「出会って」さえしまえば、相手の素性なり趣味なり共通の言語をそもそも持ってるゆえに却って強い。そういう意味で「結束が固いぶん、最初の一歩が往々にして最大の壁」って側面があると思う。

 なのでそもそもスタッフなり参加者の誰かしらと交流のある人はともかく、そうでない人が単身乗り込むには若干敷居が高かった(かもしれない。あくまで個人的な感想ですので)。クラブ・イヴェントならそもそも音を聴くのが主目的なのでそのへんを過度に配慮する必要はないけど、ドクデスはあくまで「クラブという場で行うオフ会」なわけなので、オフ会としての要素が何かしら目に見える形でもうちょっと反映されると、もっとネットの人たちも参加しやすくなるんじゃないかな。とは思った。

 まぁこれはスタッフ陣に「なんとかせい!」って文句言う内容じゃ別になくて、ドクデスって場を提供してもらってんだから、そこから後の交流の手筈くらい自分でなんとかしろよ(事前オフなりorkutなり。ぼくはどっちも参戦してないんで余計にそういう敷居を感じやすかった部分が勿論大きいわけですから)とも思いますけどね。お客さんが全員胸に「id:なんたら」っていうプレート付けたりとかしてたら、それはそれで妙な話だし(笑)。


 何はともあれ真ん中辺りに書いたとおり「熱意や誠意が伝わってきて良いイヴェントでした」ってのが主な感想です。主催3氏を始めDJ、VJ、及びイヴェントをサポートした方々。皆様どうもお疲れ様でした。「8」が今日以上に素晴らしいイヴェントになってくれれば、それが何より素晴らしいことだと思います。