Herb / Don't Look Back It's Danglin' There

amn2004-05-15

from al. 『Refugees Won't Speak』 02



 まだアルバムを通して聴きこんではいないのでなんとも言えないが、それを差し引いても4曲め(結界のシングルマザー)〜5曲め(Don't Look Back It's Danglin' There)の流れを一聴するだけで「な。なんかスゴイことなってますけど・・・」と呟かずにいれない奇妙なフック・アイテム。このHerbのアルバムはちょっと面白いです。


 おバカなトーク(? ポエトリー・リーディング?・・・なのか??)が4つ打ちに乗っかる「結界のシングルマザー」は、手法や音は目新しくもなんともないけど単純に笑える。かなりツボ。で、打って変わってギター・ポップ直球ド真ン中150kmな「Don't Look Back It's Danglin' There」の、延々とワン・フレーズが掻き鳴らされつづけるアウトロがなんとも言えず気持ち良い。

 同じパターンとして真ッ先に思いつくのがスーパーカーの1st「スリーアウトチェンジ」ラストを飾る13分ものロング・ラン「Trip Sky」。あとそこまで長くないけどスパイラル・ライフ「ネロ」とか、くるり「水中モーター」なんか曲の感触的にも近いかな。


 考えてみるとこの「延々とワン・フレーズが掻き鳴らされつづける」っていうのは、それこそミニマル・テクノなんかまさにそのものであって、けど4つ打ちだと特に気に止めたりとかしない。てゆーか「そういうもん」って無意識にカテゴライズしちゃうのかも。

 一方「Trip Sky」なり「水中モーター」なり。そして「Don't Look Back It's Danglin' There」みたいな音だと、ある程度(それもさほど長くないスパンで)すぐ「ん? なんか長ぇ」って耳に止まる。「Don't Look Back It's Danglin' There」も「Trip Sky」ほどじゃないにせよ、メロディーのあるのは最初の4分で、そこから延々6分弱も1つのリフだけが鳴りつづける(ドラム・パターンはずっと一定ではない。オカズが多々入ります)。配分が明らかにアンバランス、でも、飽きずに全然最後まで聴けて、しかも終盤フェイド・アウトへ入っていくと物足りなささえ覚えるくらい、ほんと後味が良い。例えるならメントスのミント味みたいな曲(うわぁーすごい適当だ)


 あと余談だけど、ぼくはスーパーカーの「Trip Sky」という曲がほんと好きで、あの延々つづく「陽射しの気怠さ感」みたいのにだらーっと浸ってる13分が至福の時間だと思ってて、だから初期ベスト盤「16/50」に収録されてるエディット・バージョンはすごいつまらないと思うんですよ。サハリンのガキどもがウニをばりばり踏んづけるのを目の当たりにして「子露助ぇー!」とブチ切れていた西原理恵子さんの心境ですね。ぼくも資本主義というものを見せつけてあげたい。けど今ほんとに金なくて困ってるんですよ。うん。すげぇ身近で卑屈なところへ着地したね。余談が完全に蛇足と化した。