島崎君

amn2004-05-17



 帰りのバス内で遭遇した、女子高生2人組の会話。


 「あのさー。うちのクラスの島崎いるじゃん」
 「あー。うん。まだ喋ったことないけど」
 「私もないけど。でさーなんかね島崎、一昨日サヤカに告ったんだって」
 「えー。うそー!?」
 「いやほんとで。サヤカに聞いたんだもん。なんか告ったってゆーか、ラブレター渡されたらしくて」
 「えー!」
 「それが、なんか古文みたいなラブレターなんだって」
 「うそー。何それ」
 「なんか別に古文で書いてあるわけじゃないんだけど、すごい古くて超難しい言葉ばっか出てきてサヤカ全然読めないんだって」
 「うわーそれ厳しくない?」
 「超厳しいじゃん? けどサヤカもさー、なんか一応受け取っちゃったし読まないわけにもいかなくて、辞書引きながら頑張ってそれ読んだんだって昨日」
 「うわー超だるい」
 「でもそしたらさー。辞書調べても乗ってない漢字とかいっぱいあって結局全部読めなかったらしくて」
 「えー何それ!? ありえないんだけど」
 「それで今日ね、島崎にそれ話して結局断ったらしいんだけど」
 「断るでしょ普通」
 「やっぱそうだよねー」
 「断るよ普通。ってか、難しくて読めないラブレターとかありえない」
 「だよね。でも何気に島崎ちょっとすごいと思った、私」
 「そういえば島崎ってさー。普通に喋るときでも『むべなるかな』とか、わけわかんないこと普通に言うよね」
 「あー。言う言う!」
 「それ多分絶対、中身おじいちゃんとか乗り移ってるよ」
 「『むべなるかな』とか言わないもんね普通」


 ・・・そんな島崎君を、ぼくはちょっと好きだなあ。と思いました。頑張ってほしい。