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 何度も「Playmate At Hanoi」を聴くうちに、ようやくバンド名も暗唱できるようになった Date Course Pentagon Royal Garden の、それが収録されてるアルバム。ということで気づいたら「アイアン・マウンテン報告」を持ってました。いつ買ったのか覚えてない。3000円もするアルバムを衝動買いとか普通にできてた、ぼくん中では最後の時代ですね2002年の最初頃って。今もう滅多にそんなのしない。ぎりぎりこの頃に出会えといて良かった。


 買ってまず惚れ込んだのは5曲め「Hey Joe」・・・そりゃそうでしょ。というか単に唯一知ってた曲。うわ。かっけー。特に中盤の3拍子んなるとこが好き。これで俄然 DCPRG に興味が沸く。現金。

 そんで4曲め。当然「ススト」とかまだ知らない。けど変拍子が気持ち良い。変拍子はもともと好きでした。気持ち悪さが、気持ち良さに反転する瞬間。「Hard Core Peace」終盤の恍惚感に何度も打たれる。序盤は最初、長くて正直だるかったけどだんだん中毒みたくなる。菊地ホリック第1症状。さらにわけわかんない1曲め「Catch 22」が次第にカッコ良く聴こえはじめる。勿論(と言って良いのか)ジョーゼフ・ヘラーもマイク・ニコルズも知らない頃。後日、由来を知って映画のほうを観たけど「まさに!」って思った。


 クレジットが全て英語表記なので Kikuchi Naruyoshi なる人物が、どうやら首謀者らしいと知る。当時ぼくはインターネットと一切無縁な生活をしてたので、詳細を知ろうにも何に当たれば良いかわからない。Naruyoshi は「成吉」を想像してて(というか他に思い当たらなかった)頭ん中ではいつも「ナルキチ」と勝手に呼んでた。ナルキチかっけー、とか言ってる。失礼きわまりない。すいません。プログラム再生で1、2、4、5をエンドレス・リピート。同部屋の後輩に「なんなんですかこれ」と言われる。同部屋の先輩に「ドス黒いもん聴いてるな」と言われる。


 2002年、夏、Fuji Rock、3日め、午前11時。グリーン・ステージでゆらゆら帝国、フィールド・オブ・ヘヴンで Polaris という激戦区な最終日朝イチだったが、迷わずホワイト・ステージへ直行。嘘。ちょっと迷いましたすいません。さすが激戦区だけあり、というか完全に食われた形で、というか知名度的に当然の結果というかなんというか、ともかく客席ガラガラ。前のほう20人くらいしかいない。けど初めての DCPRG に圧倒される。ナルキチー! と(心の中で)叫ぶ。最前列で一心不乱に踊りまくる。最後の「Hey Joe」ん途中で、ちらっと後ろを振り返ったらものすげー人数がうねうねしててびっくりする。なんか10000人とかいたらしいよ(えー)

 パーカッションの女性(三沢泉さん)がやたら可愛くて、違う意味でも「すげー」と興奮する。後に三沢さんは正式メンバーでないと知る。ショック。でも DCPRG 熱は冷めなかったので、どうやら俺は本気でこのバンドが好きらしいと確信。このとき演奏され、最も熱狂した「Circle/Line 〜 Hard Core Peace」に1点。