月面リサイクル・5


 さて前回リサイクルした「フェス考」なんですが、あれ実は巧妙にカットしてあるんですけど、そもそもは去年のフジ・ロックを振り返るうえでの前置き・・・のはずだったんですよね。軽く「フェスって全体的にこんなだよね」みたく総括して、でもって「ハイじゃあ今年のフジの感想いきまーす」って本来なる予定だったんだけど、いざ書きだしたら当初の目論見を大幅オーバーで膨らんじゃって、前置きだけで気力も使い切っちゃって「では感想はまた次にー」って持ち越したんです。

 ですけども、ほら、そこは俺ですよ。さも当然のように「また次」はいつんなってもやって来ませんよ。来ませんでしたよ。来る気配すら見せませんでしたよ。外国で飛行機が墜ちましたよ。で、ぼくはなんて言えば良いんだろう? と考えた結果、今日は Fuji Rock 2004 を携帯から現場中継したログを引用しつつ、不履行となっていた「また次」を今こそ! というか今頃! 超今頃、振り返ってみることにしました。レッツ、プレイ・バック&10ヵ月遅れの帳尻合わせ!


■ 2004年7月27日 (出立前夜)

 23:36
 というわけで、はい、いよいよ直前に迫ってまいりました fuji rock。明日の深夜に苗場へ出発する予定です。昨日から実家に戻ってまして、今は買い出しとか運転の練習など、準備に余念のない状態です。苗場へはぼくの実家の車で、ぼくの運転で行くんですけど、まず第一関門がそこですね。事故ったりどうかしませんように…!


 23:51
 ところで今日の昼、そいつを洗車しながら「せっかくだし名前でもつけとこう」ってことになって、ぼくは即座に「ナエバ号」でいーじゃん。って提案したんですけど、あまりにそのまますぎて逆に潔くてかっこいいじゃん。と思ったけど「そんなこと全然ない」とあっさり却下されました。


 00:24
 ボディが銀色なのでサニーデイ・サービスにあやかって「シルバー・スター」はどうかな? と再プレゼンしたら「かっこつけすぎててかっこ悪い。あとサニーデイ別に関係ないし」とまたも即刻リジェクトされました。バランス感覚って難しいですね… じゃあ今年はピクシーズ再結成とルースターズ解散劇で沸いてそうだから「ピクルス」ってどうかな…(かっこ悪い)

 いきなり申し訳ないんですけどこのへん超どうでも良い! 全然フジ本編と関係ない。去年は7月30日〜8月1日っていう日程で、前々日の深夜には千葉を出発して、前日の昼にはもう苗場入りしてたんですよね。29日の正午にゲートが開くんですけど、その3時間くらい前には着いてたっていう。3年前に免許取得 → その後2年間一切乗らず → いきなり千葉−苗場の長距離初運転、という無茶にも程があるプランを決行したため、車の運転が不安だったのも勿論デカいんですけど、プラスやっぱ「いざ苗場!」っていうね。だって27日って、まだ3日も前なのに早くも浮かれまくってる俺の興奮なり高揚感なり、そういうのが行間から滲み出てると思ったんで、わざわざこのへんも載せてみました。


■ 2004年7月28日 (出立)

 「いってらっしゃい」 01:59
 最終的に「ピクシー号」という妥当すぎる名前に落ち着いた車で、今から出発します。

 妥当っつーか「ピクシー号」やっぱかっこ悪いよね。俺やっぱ「シルバー・スター」悪くない気がするんで(というか曲が好きなだけ)今年はそれで行こうと思います。

 04:10
 東京の町に出てきました。本郷の辺りです今。最初雨がひどくて視界がまるで見えず、あわや国道を逆走しかける危機にも見舞われましたが無事生きてます。これから14号に乗って北上します。早くおばあちゃんにとうもころしを届けてあげたいと思います。


 06:16
 交通情報を聞こうとラジオをチューンしたらちょうど Snow Patrol 「Spitting Games」が流れててテンション上がる。天気は雨が降ったり止んだり中途半端。奥田民生の「コーヒー」をどことなく思わせる。前橋のちょい手前らへんまで来ました。まだ、まだ、北へ。運転だいぶ慣れてきたよ。

 なぜテンション上がるかと言うと、去年 Snow Patrol は初日のレッド・マーキーに出演することになってて、で見れたら是非「Spitting Games」聴きたいなーと思ってたからです。ちなみに奥田民生さんは出てません。こっちはなんとなく浮かんだだけ。

 09:29
 「星のラブレター」を熱唱しつつ新潟県入り。立ち寄ったコンビニのトイレにシーナ&ロケッツのポスターが貼ってあって、鮎川さんの左目と心臓に画鋲が刺さってた。This is パンク。


 10:49
 苗場着いたー!
 と同時にぽつぽつなんか降りだしてキター!
 高速代ケチって国道オンリーで北上約10時間の旅、これにて終了。とりあえず車体脇に藤原とうふ店って書いといても恥ずかしくないほどにはドライビングテクも向上し・・・たわけがない。心底疲れた。ちょい頭痛いっす。


 11:10
 「あっ、高橋がなりだ」
 「うそつけ、いるわけねーじゃん」
 「けどあの人ほら、超似てるよ」
 高橋がなり90%+荒川良々10%・・・的な人がいました。


 11:43
 まだゲート開いてくれません。ひま。あとがなり本物っぽい? まじで? なんか今サインねだられてるみたい。がなり100%っぽい。えーうそー? こうなってくると荒川10%が今度は意味わかんなくなってくる。世の中って不思議ですね。

 苗場到着ー。もうね、なんか浮かれすぎてわけわかんないことしか言えてませんねこの人。長距離初運転でいきなり台風直撃くらったときは、ほんと生きて苗場まで着ける気がしなかったですよ。千尋の谷に突き落とされました。おかげで運転慣れできたんで、フジ・ロック期間中かなり重宝したんだけど。帰りも楽だったし。

 この後ゲート・オープン → キャンプ・サイトでテント設営 → 越後湯沢駅周辺で買い出し → 仮眠 → といろいろありまして、さて、ようやく前夜祭のスタートでーす!


■ 2004年7月29日 (前夜祭)

 19:37
 オアシスステージ前トイレから実況です。鍵が壊れてドアあきません。外でれねぇー! シャレんなってません助けてください誰かー・・・

 ・・・と思ったらいきなりコレですよ。仮設トイレに閉じ込められました。前日なのにもう鍵壊れるとかってどうなの? にしても閉じ込められたトイレの中からわざわざ中継してる俺が何よりバカっぽい。

 20:09
 前夜祭シークレットライブ出演バンドに JUDE が! ま、まじすかー? 浅井さーん!!!


 02:05
 前夜祭終了。ライブは最初のと、あと JUDE だけ観ました(途中は仮眠してた)。JUDE すごいな。「ジョーン・ジェットの犬」の、あの切れ味の鋭さはちょっと半端じゃないと思った。浅井さんはもう余裕っつーか貫禄ですね。普通にカッコ良すぎる。さて明日も早いんでもう寝ます。風が少し強いけど今、テントの中はちょうど良い涼しさです。おやすみなさい。

 シークレットで JUDE とか豪華すぎ! 狂喜乱舞しつつ見た。そういえば俺、なぜか Fuji Rock で浅井運強いんですよ。確か2002年だと思うんだけど(違うかも)カジノで浅井さんとルーレットしたりとか。キャンプ・サイトからステージへ向かう途中の道にカジノ・・・つっても勿論ちゃんとしたやつじゃなくて、隣のバーでドリンク買うとチケットもらえて、そのチケットをチップに換えて遊ぶんだけど、毎晩そこに通ってたんですよ。そのカジノも、確かその年初めてできたんだったと思う。あの広場のいちばん奥のちっちゃいテントの、外からだと中で何やってんのかわかんない、今はもうだいぶ知られてるかもしれないけど、まだ当時はちょっとした秘密スポット的な場所で。何日めかの深夜にストリップ・ショーがあったりとかね。見たけどね。

 んで、その年はホワイトの JUDE (かな? シャーベッツだっけ?)の真裏で、グリーンで俺は井上陽水を見てたので(これ最高に良かった)浅井さんのライヴは見れなかったんだけど、その夜またカジノに入り浸ってたら浅井さんが! 来たんですよ生ベンジー! むちゃくちゃカッコ良かった。陳腐な言い方だけどすごいカリスマ性っつーか、とにかく全身から強烈にオーラ出まくってて。


 そしたら、そんときルーレットやってた俺の隣に浅井さん来て「ねえ、これどうやってやんの?」って。その声がすごい優しい声で。「そんな言葉に興味はないぜ」の張りつめて尖った声じゃなくて、「日傘を差して歩く彼の恋人は妊娠中で」の、あの声ですよ。俺はもう緊張と驚きで「あ、えっと、これをこういうふうに・・・」って、たどたどしく説明しちゃってさ。結局、浅井さんは2〜3回でチップ使い切って(毎回全部賭けるから)すぐ帰っちゃったけど、あの衝撃・・・というか、あの声の信じられないくらいの優しさと、その後帰り際に言ってくれた「ありがとう」って言葉は今でも強烈に残ってますね俺ん中で。本当にドキドキした。

 で最終日の深夜、またまたカジノに入り浸ってたら(バカ)今度はケミカル・ブラザーズが来た・・・というかビール両手に乱入してきた。トムさんとエドさんは2人揃って超真剣にルーレットしてました。金の力にモノを言わせて負けるたびにチケット買いまくってたからな。最終的には現金そのままベットしようとして「No!」って mimi ちゃんに言われてました。あ、mimi ちゃんっていうのはディーラーしてた女のコですけど。まぁその話は後ほど(するかもしれないし、しないかもしれない)・・・とにかく彼らは彼らで面白かったです。「そりゃーアンタら Fuji Rock 大好きに決まってますよね」って内心思いました。


 はい、というわけで以上 Fuji Rock 2004 前夜祭までの様子をダイジェストでお送りしましたー。ていうかすいません、JUDE んとこで脱線しすぎて思い出話してるうちに時間いっぱい使い切ってしまいました from 漫画喫茶(えー)・・・ごめん今これ以上延長する金が手許にありません! 50円が払えなくて捕まるとか切なすぎるので、メイン3日間の話は次回へ持ち越し、ということで! マジすいません! もしくは誰か親切な人(id:t_yoshida)今すぐ日吉の漫喫まで来てください金持って。頼む誰か(id:t_yoshida)・・・あ、俺 A-11 番にいるからさ。うん、どなたか(id:t_yoshida)お願いします!


 つーことで、えーまだまだフジ・ロックで引っ張りますよ。もうなんかこのまま2005年の苗場へ雪崩れ込みてぇー! くらいの勢いでテンション上げてこうかと思います。

 俺 「てゆーか Fuji Rock の話なら延々いくらでもしてやるぜ!」

 善意の第三者 「じゃあなんで去年のは10ヵ月も放ったらかしだったんですか?」


 ・・・はい! というわけで!! ではまた!!!