月面リサイクル・5 (pt.2)


 そいではリサイクル、5回め(id:amn:20050613#p1)のつづきでーす。


■ 2004年7月30日 (1日め)

 14:52
 初日。苗場は晴れ、かつ適度に涼しい素晴らしい天気です。


 オレンジコートで赤犬を見ながら太陽食堂で朝ご飯。うんこですごい盛り上がってた。

 → グリーンのアラバマボーイズをバックに移動。ボーカルのおやじがおちゃめで可愛いのな。で、良い声。また明日見たいなー。

 → レッドマーキーでスノウパトロール。ギターの音がとても綺麗で、文句なしにカッコイイ。このまま今日のベストアクトになるかも。


 天気も設備も人数も、全てが適度で居心地がとても良い。最高の環境が、まだまだあと3日間、どうか続いてくれますように!

 良いスタート切ったね 2004 年。前日の降ったり止んだりが嘘みたいの夏フェス日和。その幕開けがいきなり「うんこ」てのもどうかと思いますけど。赤犬は遠くから眺めてるだけだったけど、何しろステージが強烈なのでけっこう印象に残ってる。逆に「文句なしにカッコイイ」って息巻いてるけど Snow Patrol あんまり覚えてないんだよな・・・土台3つめでいきなし「今日のベスト」とか言ってる時点で、こういうのアテになりませんよね。まだ1月か2月なのに「早くも決定、今年の最重要盤!」って書いてるディスク・レビューと同じで。どうせ12月にも「ギリギリでやって来た 2004 年ベスト・ディスク!」が登場すんだろ、っつう。

 15:58
 トリプルドラムキター!
 思い出波止場 2020 すげぇー。パンクっすよパンク! 燃えたー。

 はい、ほら早々と「もっとベスト・アクト」が出てきましたよ。思い出波止場 2020 feat. DJ おじいさんです。ライヴの興奮と苗場の開放感ゆえ、いかにもぞんざいにパンクという言葉を投げ売りしてる俺がここにいます。まぁ実際ほんとカッコ良くて大興奮だったんですけど。ちなみに DJ おじいさんて事前にムーグ山本さんとかイルリメとかいろいろ噂が飛んでたけどどっちでもなかったんだよね。

 17:13
 ルースターズがたった今、最後のステージを終え解散しました。


 17:25
 ルースターズは正直あまりかっこよくなかった。オヤジになった大江慎也の声はなんだか変で、違和感があった。でもそれはなんとなく自然で、当たり前のようにも思う。そしてルースターズは終った。
 大江慎也は最後まで歌う以外、一言も喋らずステージを去った。ずっと何かを噛み締めるような、真剣な顔で黙々と歌っていた彼が、最後の最後で一瞬だけ、ギターを弾きながら笑顔を見せた。そして、それからオーディエンスに手を振って去っていった。
 「ロージー」を歌いながら少し涙ぐんで見えた大江さんを、とても繊細な人だと思った。


 22:48
 昼寝のつもりが寝過ごして PJ Harveyロザリオス見逃したので「今日は夜メインだったことにして、まあペース配分的に妥当と判断」と自分を慰めつつ方針転換。ポジティブ・シンキング


 22:56
 トリプルハゲキター!
 ハゲデブオヤジ3+オバハン1=轟音。全然健在じゃないすか Pixies向井秀徳の20年後を見た気がした。

 トリプル日和ですなー初日。つーかまた適当なことを。ピクシーズはでもあの音だけで OK でしょう、っていう。超ザクザクしてて「うひょー!」て感じでした。あと「気がした」とか、さも俺発想みたく言ってますけど実際向井さんて「俺もフランク・ブラックみたいにハゲて太りたい」って発言してるからね(で EMI のスタッフに猛反発くらった、という)・・・まんまパクリかよ! すいません!

 ルースターズはやっぱりグッと来るものがありました。「オヤジになった大江慎也の声はなんだか変で」とかすごい無礼なこと言ってるけど、やっぱり後追い世代ですからぼくは。現役ん頃の音源を腐るほど聴き漁って、それがもう頭ん中に定着しちゃってるからね。どうしてもブランクのぶん、ズレがあるわけです。まぁブランクて言えば Pixies だってそうなんだけど、そのズレを感じなかった。あのザクザク感がイメージそのまんまで。だからこそ「健在」って言葉が出てきたんだと思うし。


 ルースターズは、だから変ていうより、それと全然違っててびっくりした。頭ん中の大江慎也よりずっと低くて、もっとくぐもってて。とはいえ「ニュールンベルグでささやいて」「C.M.C.」「ロージー」「Do The Boogie」のラッシュんとき、やっぱりどうしようもなく鳥肌立ったけどね。否定的な書き方してるけど、この日いちばん揺さぶられたというか、何かこうガツンと来たのもまたルースターズだったのは事実。妙と言えば妙な感傷なんですけど。

 でもって10ヵ月遅れのなぜか今タイムリーに、このラスト・ライヴのドキュメンタリーが発売されるみたいですよ → http://columbia.jp/roosters/

 23:08
 スーパーカー観たのすごい久しぶり。流れで特に期待せず行っただけだったけど、思った以上にタフな音になってて嬉しい誤算。「free your soul」とか生音ですごいガシッとなってて良かったです。
 知らないうちにナカコーちゃんとフロントに来てたんだね。そのへんも成長が感じれてなんだか嬉しかった。初期はひどかったけど(笑)今ならちゃんとライブ盤出せるんじゃないかな。
 あとは案の定、ベースの人に萌えてました。ナカコーは少しずつ風格らしき感じが出てきたけどジュンジくんとミキちゃんはずっと最初ん頃のまま若いなー。


 23:25
 眼鏡のルーリードがものすごく誰かに似てるんだけど、その誰かの名前が思い出せなくて、けど少なくともあまり良い似方でないのは確実なのでまあ思い出さなくて良いんだろうな。


 23:28
 そうそれで思い出したけど昨日のがなりやっぱ本人じゃなかったですって今更言っても遅いしどうにもならないっつーかもはや全然どうでもいい。

 いやほんと今更言うな! っていうね。こんなとこ改めて拾う必要は皆無なんですけど、前回のリサイクルで中途半端に引っ張った挙句「高橋がなり本人ではありませんでした」ってフォローし忘れたので念のためね。それだけ。Lou Reed は通過しただけで見てません。

 02:45
 再び寝起きです。今はルーキーエリアで、雨に打たれながら sakerock を待ってるところ。寒いけどビールが美味しいです。でも寒いよ。


 03:43
 サケロック気持ちよかたー! いー具合いに雨も止み、いー具合いに酒も回り、生温い空気のなかで、生温い音楽。最高の調合だなー。今はオアシスでタイラーメン食べてます。栄養補給して、それからオレンジコートいくぞー。


 07:48
 踊り明かした! 甘い匂いの立ち込めるオレンジコートで朝まで。疲れた。眠い。寝ます。輝くみんなの明日のーために(明日のーために)おやすみなさい!

 後に「超美人だった」と聞かされ地団駄を踏みまくった PJ Harvey と、誰に聞かされたわけじゃないけど超カッコイイに決まってんじゃん! そんなの達也さんだし当たり前じゃん! なロザリオスをまさか見逃してしまうほど絶望的に深かった痛恨の寝過ごし事件ですが、おかげで気力と体力の死ぬほど無駄にあり余っていた俺は「オールナイトフジ」で3時間近く踊り狂っていたのであります。すごいね。体力とか全然ないくせにね。

 誰が演奏してたかまったく覚えてないんですけど、とにかくもう楽しくて仕方なかったんでしょうねこの人。全体的にトランス色の強かった印象が曖昧ながらあるんですけど、普段そんなの滅多に聴かないし踊ったり絶対しないくせにさ。そういう閉じた部分をこじ開けてくる何か、磁場みたいのがやっぱりあるってことなんだろうな。

 キャンプ・サイトへの帰り道、早朝からすでに翌日の入場に備え行列つくってる人たちといっぱいすれ違った。「まだいたのかよお前ら」ってきっと思われてたに違いない。俺は俺で「もうかよお前ら」って思ってた。みんな元気だよね。さて寝るか。


 ・・・といった具合で1日め終了。こうして振り返ると、思ってたよりけっこうライヴ見てるんですね俺。もっとダラダラしてたと思ったけど。んで2日め以降の話は次回へつづきまーす。「えー、まだ!?」って声の、どこか遠くから聞こえてくる気がしなくもないけど空耳ですよね多分。聞こえません。何も聞こえない。