eating pancakes.
 


 お久しぶりです。youtube 記法を1回使ってみたかったので、最近いちばんお気に入りのを貼りました。タイトルどおり、そして見ていただければおわかりのとおり、女のコがパンケーキを食べながら、恋人か家族かわかりませんけど男のコとダベってるだけの、なんてことのない映像なんですが、これが実に素晴らしい。なんかもう超和む。女のコが可愛いのもさることながら、この、ごく平凡な日常の「なんてことなさ」が実に良いです。食べ終った後、はしゃいで部屋を駆け回るシーンとか最高ですね。見てるだけで幸せ。「生きてるって素晴らしいね」とか言いたくなります。ぼくだけですか? ええ全然かまいませんとも。ぼく疲れてますか? 正解です。

 ぼくはこの、1分48秒のなんてことない映像だけで大変幸せなのですが、あと地味にツボなのがコメントです。youtube のコメント欄の、いわゆる「外人ノリ」・・・斜め上のリアクションとか、わけわからん謎めいたテンションを浴びるのが大好きです最近。ああやっぱ疲れてんね。中には限りなく純国産っぽいテンパイ英語も多々見られますが、なんとなく外人のほうが愛しく感じれる(気がする)んで無理矢理そう解釈します。たとえ「please」を「prease」と綴っても、あくまでそれは外人の誤打。


 「eating pancakes.」のコメント欄(http://www.youtube.com/watch?v=2eNsY_2H-mc)では、彼女の食器に注目が集まり「おい何ボウルでパンケーキ食ってんだよw」「ボウルかよw」という突っ込みが並んだ後

 Pancakes are pancakes if they are in a bowl or not!

 という切り返しが入るのですが、これなど実に名言です。やたらエネルギッシュなわりに実質何も言ってないらへんとか特に。「パンケーキは、ボウルに入っていようがいまいがパンケーキである!」「・・・や、そりゃそうでしょ」ていう話なんですが、こう力強く言い切られると思わず「おお・・・」と唸りたくなる不思議な説得力がありますね。ありませんよね。

 こういう、いわゆるフツーの女のコのフツーの日常を切り取ったスナップ的な動画に、ちらほら切れ味の鋭いコメントが光ってたりして見逃せません。ブロンドの少女がカメラにスマイルを向け語りかけ、手を振り、最後にキスを投げる30秒くらいの動画があって、そこへ「i know you need me...」などとクールにキメてる人を見てると実に心が和みます。お前は何も知ってねえ!


 これが「hot」だの「sexy」だのとタグ付けされる類いの、ややエロい映像になるとコメント欄もヒート・アップし(わかりやすいところでは「you're soooo hoooooooot!!!!!」みたく重ね字が増える)、タームも徐々に生々しいのが目立つようになり、また別の趣を見せはじめます。セクシー・ダンスを披露していた女のコが、最後に下着を外そうと指をかけ・・・たところで終了。みたいな寸止め動画では、コメント欄に「Mooooooorrrreeee PPPPPPPPLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLZZZZZZZZZZZ!!!!!!!!!!!!!!!!」と窓ガラスにヒビを入れかねない絶叫が響きわたり、それが幾重にも唱和されるカオスティックな美しさもまた、大いに心を和ませてくれます。


 さて動画のエロ度とオーディエンスのホット度はどこまでも正比例するように思われるかもしれませんが、そうではありません。彼らの熱狂は寸止めらへんがピークです。さらに露出がエスカレートしておとなのじかんゾーンに突入すると、かちり、とスイッチが切り替わり、悲鳴めいた絶叫はぱたり途絶えて凪の状態になります。そこは先ほどまでの喧騒・狂騒が嘘のように静かです。彼らは静かに、淡々と「plz send me full video!! ××××@msn」と連絡先を明記し、見ず知らずの神から完全版が送られてくるのを待ちます。そのストイックな姿勢は一見、悟りや忘我といった境地を思わせ錯覚しますが、言うまでもなく実際は悟りどころか完全に猿です。このドラスティックな豹変ぶりも実に素敵で和みます。ぼくの見た中で、特に素晴らしかったのは「oh my god... Yes, full vid plz :D」というコメントです。これほど見事に猿な「Yes,」はなかなか見れたもんじゃない。あらゆる煩悩を全力で肯定する、とても力強い「Yes,」です。


 最後に、今までで最もぼくを和ませてくれた美しいコメントを紹介します。とあるポルノ・スターのストリップ動画に書かれてました。

 higher than the sun.

 たった4語に、彼の思いの全てが凝縮された名フレーズだと思いました。