知らないうちに「トランスルーセント」が完結してたー

 トランスルーセント 5―彼女は半透明 (MFコミックス) 岡本一広トランスルーセント 5―彼女は半透明 (MFコミックス)


 のを、Qフロントの TSUTAYA で見つけた頃には、すでに Disk Union で限界一歩手前まで散財し尽くしていたので「白山さーん・・・」と泣きじゃくりながらぼくは電車に乗りました。はいはいまたですか。


 身体(の一部だったり全身だったり)が周期的に透明になってしまう「透明病」の少女・白山さんと、クラスメイトの唯見くんのお話。「世界中の誰にも私が見えない」ことに思い悩む白山さんを、愚直なまでに全肯定して支える唯見くんのバカっぷりは「ラブロマ」のホシノくんと大変通じるものがあり、また全編に於いて、1つ1つの日常や心情の肌理細かい丁寧な描写や、アテられて恥ずかしくなるくらい真っ直ぐでポジティブきわまりない質感とかも似てる。ついでに言うと単行本の版型や厚みと、あと5巻で完結ならへんも良く似ているが全然これは関係なくて、じゃあわざわざ書くなハゲ、という指摘は実にもっともである、うむ。

 ホシノくんが1巻の1ページの1コマめで、どどーんとスタート・ダッシュで告白をキメてるのに対し、唯見くん・・・はバカなので置いといて、白山さんは4巻の最終話に及んでなお「告白は次に持ち越しね」とか奥手このうえない堂々たるロハスっぷりなんだが、ここで俺の「ロハス」の解釈が著しく間違っている可能性については触れないのが人の人たる優しさとして、「及んでなお」って書きながら及川奈央に脳裏を過られる想像力の空吹かしは万死に値する。


 「ラブロマ」も「トランスルーセント」も、ともに優れたファンタジーで大好きです。あ、そういえばどうやら俺ってファンタジー好きらしいんですよね。最近知りました。ぶっちゃけありえないですよ、こんな四六時中キラキラしっぱなしのユートピアは。けど、そんなのどうでもいいです。アラバスタはこれでいいのです。それよりずっと大切なのは、2巻の138ページの最後のコマの白山さんが可愛すぎてもうそれだけで俺は死んだ。そのほうがずっと重要ですよ。そんで、もっといちばん重要なのは今、手元に2巻があるわけでもないのに「138ページ」ってすらっと出てきた俺の愛、が溢れすぎて洩れ出して反転して、暗転。