CCCD


 そういえばその話もちょっとしてみよう。

 中途半端で恐縮だがぼくはCCCDは「基本的に」買わないスタンスをとっている。と言うからには勿論「例外」が存在するわけで、まぁほんとに「超」のつく少数だけれども。

 タクヤさんみたく信念を貫ける人は確かにカッコイイと思う。「CCCDに関する感情論」読んで刺激されたり揺さぶられるのははっきし言って当然っつーか。少なくともこれ読んで何も感じない人なんていないと思う。いたとすればその人はあまり音楽を必要としてないに違いない(断定)


 でもってぼくは文中の「それでも買っちゃうファン心理」に翻弄される1人の弱者だ。今んとこぼくの持ってるCCCDは2枚あって、1つがSweet Robots Against The Machine「Towa Tei」。もう1つがShing02「エクスプレスなんとか(正確なタイトル忘れた)」。スウィート・ロボッツCCCDに関してまったく無知なときに買った。シンゴ02はある程度それを知ったうえで、だけどどうしても聴きたくて買った。


 CCCDについてはインターネットの中と外とで、温度差みたいのをすごく感じる。というのはだいぶ集約の過ぎる言い方で誤解されるかもしれないけど。勿論インターネットにそれほど(或いはまったく)触れない人の間でもCCCD嫌いって意見は少なくないだろう(と思いたい)し、ネット内で「何ガタガタ細かいこと言ってんの」的な意見も多々目にする。てゆーか何よりこれほどCCCDが普及してやがる最大因子(とレコード業界界隈のみでもっぱらの噂・笑)がネット内に於ける違法コピーの問題なわけで。

 ビートルズの「Naked」のCCCD仕様が発表されるや否や怒涛の勢いでタワー・レコードやHMVの個人レビュウにO点が並んだ、オン・ラインに於けるあの消費者論的な雰囲気を、オフ・ラインで感じることって物凄く少ない。それはもう不自然なほどに。どうしても「CCCD反対とかなんとか騒いでんのってネット中毒の引き込もり野郎ばっかじゃん」みたいな。ずいぶん言葉汚いけど(笑)そういう見えない圧力みたいのを感じるときがぼくは多い。


 こんなのさ。それこそ「ネット中毒で引き込もって」りゃ至るところで目にする論調だけど、CCCDに反対してる人(あくまで消費者のレベルで)ん中に、音質がどうこう言ってる人なんて滅多にいないわけじゃないですか。ぼく自身、Shing02の「エクスプレスなんとか」プレイヤーに乗せたってそんなん全然わかんないし。幸いにも不具合なく聴けたそのサウンドとかリリックはやっぱりすげぇカッコイイんであって。問題なのはその「幸いにも」って部分でさ。こっちはちゃんと2500円払ってんだから「当然」じゃなきゃ困るわけですよ。100とか200分の1であっても外れクジ混じってちゃマズイでしょっつう。

 ギャンブルはギャンブルでしたきゃするけど、買い物は買い物で必要なわけで。「買い物のつもりが実はギャンブルさせられてました」みたいのはもう明らかに詐欺っつーか。てゆーか「みたい」も何も、ぼくがShing02買ったとき実際そうだったんだけど。だから「マイノリティの最大多数」は「CCCD音悪ぃよ。んなもん聴けるか」じゃなくて「聴けなかったら責任とれよ。あと機械壊すなよ。でもって適法のコピーはさせてくれよ」なんですよね。注文多く見えるかもしんないけどそれって全部そもそも正当な権利であって。で、この辺りが的確に認識されてないっつーのが現時点で何より致命的かつ絶望的な部分だと思う。


 てゆーかなんで認識されないんだろうな。考えてみりゃそのほうが不思議で。だって「運悪く外れの牛乳飲んじゃった人」を出した雪印はあんなんなったわけじゃん。その「運悪く飲んじゃった人」の数なんて、全国の牛乳飲んでる人数のうちのほんの少数じゃん。けど、ほんの少数でも外れクジ混ぜちゃった雪印はボコボコにされたわけじゃん。で、それが普通じゃん。「いや雪印悪くないよ」とか誰も言わないし言うわけない。マイノリティとか以前に皆無。「雪印責めてんのって根暗な2ちゃん野郎だけじゃん。うぜぇ」とか誰一人思わない。さっきよりさらに言葉汚くなってねぇ? とか誰一人突っ込まない。いやそれは突っ込む。俺間違ってる。